2020/03/27

2020年3月27日指定 中央アルプス国定公園


長野県の中央アルプスが、令和初!国内57番目、長野県内で4番目の国定公園に仲間入りしました。
伊那谷・木曽谷の13市町村に広がる地域が指定区域となります。

国内でも有数の氷河地形や高山植生などを有する中央アルプスが「中央アルプス国定公園」に指定され、県内では4番目の国定公園が誕生しました。指定区域は、県立公園がそのまま移行され、国定公園化で指定可能となる「特別保護地区」を千畳敷カール周辺に新設するなど、自然保護の一層の強化を図り、知名度を活かして適正な利用を推進していく予定です。

指定区域には飯田市、伊那市、駒ヶ根市、塩尻市、飯島町、宮田村、松川町、高森町、阿智村、上松町、南木曽町、木曽町、大桑村が含まれます。

5年越しの夢が実現し国定公園に

 環境省の諮問機関・中央環境審議会は、今年1月27日に中央アルプス県立公園を「中央アルプス国定公園」に指定するように求められ即日答申、これにより国定公園化が決まりました。国立公園に準ずる国定公園は優れた景勝地として環境大臣が指定し、各都道府県が管理をしていく公園です。
 国定公園指定の経緯は、平成27年に地元自治体から国定化の要望が出されたことを契機に、「中央アルプス国定公園化研究部会」が発足。翌年、県が環境調査を実施し国定公園としての資質を確認、それを受けて平成29年には「中央アルプス自然公園保護・活用推進協議会」が発足されました。令和元年の環境省中央環境審議会委員による現地視察を経て、いよいよ環境大臣による国定公園の告示・指定が行われました。
 中央アルプス国定公園の区域は、昭和26年に長野県立自然公園に指定された3万5116haをそのまま移行。伊那谷と木曽谷に囲まれた南北約100㎞、東西約20㎞、北部の茶臼山から経ヶ岳、木曽駒ヶ岳、宝剣岳、空木岳などを経て、少し離れた恵那山の周辺一帯。さらに花崗岩形が共通している寝覚の床(上松町)と田立の滝(南木曽町)周辺も含まれます。

希少な氷河地形と高山植生が魅力

 中央アルプスの主な稜線には約8000万年〜7000万年前にマグマが冷えて固まった深成岩が分布。さらに代表的な氷河地形の千畳敷カールや国内唯一の石畳状のペーブメント、モレーンに囲まれたくぼ地に形成された国内でも希少な氷河湖の濃ヶ池が存在します。固有種の高山植物であるコマウスユキソウとコケコゴメグサが生育しているほか、国特別天然記念物のニホンカモシカやヤマネ、オコジョなどが生息しています。
 また昭和44年以降の目撃情報がなく絶滅したと思われていたライチョウは、平成30年7月に乗鞍岳から飛来したと思われるメス1羽が確認されたことで、復活プロジェクトが行われています。
指定理由にはこれらの景観や自然環境に加え、主な利用が登山や自然探勝で千畳敷カールには年間約25万人が訪れていること、そして地域社会との共存が挙げられました。昔から林業・林産業・水田・畑作などの一次産業や地域の生活に密接な関わりがあり、保護と利用に対する住民の関心が高いことも要因になりました。
国定公園化に初期から関わる駒ヶ根市役所産業部の赤羽さんは「希少な氷河地形が里から見え、麓のまちから約1時間で2万年前の氷河地形である千畳敷カールに行くことができるのが魅力です。今回の指定を新たな山岳観光の幕開けと捉え、山と里の結びつきや公園の保護と活用を関係市町村でしっかり手を携え恒久的に考えていきたいと思います。そして、山から見る麓のまちも素晴らしいと思ってもらえるようにしていきたいです」と話します。
 また宝剣山荘、天狗荘、頂上山荘を経営する宮田観光開発株式会社の春日さんと千島さんは、登山マナーの啓発とライチョウ復活プロジェクトに協力を惜しまないと意欲的。「国定公園化を契機に自然環境の価値を国内外に広く配信し、誰もが訪れやすく、より身近で魅力的に感じられる自然体験の場となるように、我々もその一端を担っていきたい」と決意を新たにしています。

指定記念の山岳フォーラムを開催

 国定公園の指定にともなって、7月11日(土)には、駒ヶ根総合文化センターで『国定公園指定記念中央アルプス山岳フォーラム』が開催されます。
 プロスキーヤーの三浦雄一郎さんによる講演会や漫画家の鈴木ともこさんとアウトドアクリエーターの四角友里さんによる対談、山岳写真家・津野祐次さんの中央アルプス写真展、アウトドア用品の販売などわくわくするイベントが目白押しです。関係市町村の物産展「中央アルプスマルシェ」もオープン予定。講演会の申し込みは4月25日(土)10時から。将来、中央アルプス国定公園の自然保護と公園の利用を担う子どもたちが楽しめるブースも用意されるので、ぜひ足を運びましょう。

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